2度目の初恋
翌日の放課後
委員会が始まった。
委員長決めとか仕事の内容確認とかであっという間に終わって
教室に戻ろうとした時、
「あのさ」
いきなり後ろから声をかけられる。
姿を見なくても分かる。この声は、公平くんの声だ。
わたしは内心びっくりしながらも冷静を装い、後ろを向く。
「うん?」
「俺、まだ転校したばかりだし、よくまだいろいろわかんねえから委員会の仕事のこととか教えてな。」
「もちろん、いいよ。」
「ありがとう。」
あぁ、小1のときに言われた「ありがとう」の声よりも、少し低くて、柔らかさもある優しい声…
この声ずっと聞いていたいな…
と思っていたら
「なに立ち止まってんの、顔赤いし。」
あ、ほんとだ。なに考えてんだ、しかもなに立ち止まってんだー!!
それを公平くんに見られるという…
もっと顔赤くなりそう…
そういう時は深呼吸
「ふぅ~はぁ~」
「いや、なんでもない。わたしすぐ部活に行かなきゃ。」
「部活なにしてんの」
「バレーボール」
「ふ~ん」
「公平くんは?」
「器械体操」
「すごいじゃん!」
「俺、体操好きだからさ。」
「あー、HRの時に言ってたね。」
「まぁな、小学校から体操してから続けてるだけだよ、しかも高校1年生はしばらく休んでたし。」
「そうなんだ、運動神経いいと思うしすぐ技とか思い出すと思うよ。」
「ありがとう。」
といって2人で教室に戻って荷物を取りにいって、わたしは体育館、公平くんは別館の体操練習室に行った。
部活中に公平くんの体操している姿みたいとか思ったり
委員会で話して以来、公平くんとは朝挨拶するくらいでまともに喋らないけど
授業中に窓の外を眺めている公平くんの横顔を見て
かっこいいと思っちゃったり、、、
やっぱ初恋の人だからかな…
結構考えちゃう…
10年も前に好きになった人で、いまも考えてるとか
周りから見たらわたしは重くておかしい女に見えるかもしれない。
それでも考えてしまうんだ。
本能的に。
そうやって授業聞いてぼーっとして公平くんを見る
この繰り返しをしていたら、あっという間に3限まで終わって昼休みだった。
お弁当はいつも玲那と2人で食べる。
公平くんは外見もいいし昔から変わらないムードメーカーで
もう友達がたくさんできて、男子数人と笑いながら食べてる。
その姿をぼーっと見てたら、
「美羽、美羽、ちょっと美羽!!」
「ん?なに!?」
「ずっとぼーっとしてるよ、もしかして山田くん見てたの?」
「美羽、最近おかしいよ、授業も前はめっちゃ集中してたのに、最近は外見たりさ~」
外を見てるんじゃない、公平くんを見てるんです。
なんて言えないから
「最近、結構疲れてるんだよね。」
とごまかす。
「そっか~、でもさっきは公平くんのことを見てたでしょ?」
玲那は鋭い、ほんとに鋭すぎる。勘がいいのかもしれない。
玲那に嘘はつけない。
「あーまぁね。」
「もしかして、山田くんのこと好き?」
「いや、違くて…」
玲那には誤魔化せないから全てのことを言った。
実は幼馴染みだけど小2になるときお互い転校してしまったこと。
そして、初恋の人が公平くんで10年の時を経て再会したこと。
玲那は
「えーーーーーーーーー!!!」
声が大きすぎるよ、、、クラス中、いや廊下まで聞こえたわ、、
「声が大きいよ!!」
クラス中全員がわたしと玲那を見る。
公平くんも
「こんな偶然ある?山田くんは美羽のこと知ってるの?」
「いやー、まだ気づかれてないと思う。」
「もーーーーう、山田くんのばか!!普通は会ったらすぐ気づくんじゃないの!?」
「10年も会ってないんだから忘れてるんだと思うよ。別に小学校一緒で実は好きだったこと気づかれなくてもいいし、言わなくてもいいし。」
「えー、山田くんに言わないの?」
「うん。」
「じゃー、私が言っちゃおうかなぁ~。」
「それはだめ!!」
またみんなの視線がわたしと玲那に向けられる。
「絶対言っちゃだめだからね!」
「はいはい、分かりました~もーう、美羽にも彼氏ができると思ったのに。」
「いつかできるんじゃない?」
「そんな他人事みたいに捉えてたら、彼氏できないよ?」
「美羽は颯汰くんといちゃいちゃしてればいいの!」
「美羽から言われなくても順調だもんね~」
玲那は中学2年生の時から藤谷 颯汰 (ふじたに そうた)と付き合っている。
中学2年生の時に同じクラスになったことで仲良くなって颯汰くんから告白して玲那がOKして今も続いている。
でも、玲那は高身長で髪はショート、少し切れ目だけど唇は丸みがあって可愛い。肌は白くてニキビとか全然ない。本当に美少女。
お母さんが元モデルなこともあり、スタイル抜群。頭もいい、喋りやすい。
だから
モテないわけがない。
中学生の時は一緒じゃなかったからどれぐらいモテてたかは詳しく知らないけど、
玲那と同じ中学出身の子曰く、
「昼休みになると、1年生から3年生まで男子が玲那のいる教室に集まっていた。」
「理科の先生と数学の先生から告白されたことがある。」
「体育祭終わりに一気に10人の男子から告白された。
「玲那ファンクラブがあって毎日誰かから放課後デートのお誘いがあった。」
現実であるんだ、こんなこと。少女漫画みたい。
漫画の世界でもここまでモテてた子を見たことない。
だから、玲那も自分はモテる。と自覚していたみたいで、
結構男遊びが激しかった。と玲那が言っていた。
自分が付き合いたいと思ったら付き合って、飽きたらすぐ別れる。
颯汰くんもそういうノリで付き合い始めたという。
でも、颯汰くんはいつも玲那のことを考えてくれてて、
サッカー部で忙しくても玲那と遊んだり、
風邪引いたら部活を休んででも、玲那の看病をしてくれたり。
最初はどうせすぐ別れると思っていたけど、颯汰くんの一途で玲那のことを大切に思ってくれている想いに気づいて、
初めて「この人とずっと一緒がいい。」
と想ったのだという。
だから、高校受験も颯汰くんと同じ高校を受験して2人とも合格して
今もほんとラブラブだ。
颯汰くんは今もほぼ毎日玲那の教室にきて、2人で喋ったり、
放課後デートもしたり。
ほんと2人を見ているとにやけちゃうし、恋しようかなって思うこともある。
「でもな~、相手もいないし、今すぐ恋がしたい!!!というわけでもないし。」
「まずいいっか。」
とまた自己解決させて、チャイムが鳴り午後の授業が始まった。
委員会が始まった。
委員長決めとか仕事の内容確認とかであっという間に終わって
教室に戻ろうとした時、
「あのさ」
いきなり後ろから声をかけられる。
姿を見なくても分かる。この声は、公平くんの声だ。
わたしは内心びっくりしながらも冷静を装い、後ろを向く。
「うん?」
「俺、まだ転校したばかりだし、よくまだいろいろわかんねえから委員会の仕事のこととか教えてな。」
「もちろん、いいよ。」
「ありがとう。」
あぁ、小1のときに言われた「ありがとう」の声よりも、少し低くて、柔らかさもある優しい声…
この声ずっと聞いていたいな…
と思っていたら
「なに立ち止まってんの、顔赤いし。」
あ、ほんとだ。なに考えてんだ、しかもなに立ち止まってんだー!!
それを公平くんに見られるという…
もっと顔赤くなりそう…
そういう時は深呼吸
「ふぅ~はぁ~」
「いや、なんでもない。わたしすぐ部活に行かなきゃ。」
「部活なにしてんの」
「バレーボール」
「ふ~ん」
「公平くんは?」
「器械体操」
「すごいじゃん!」
「俺、体操好きだからさ。」
「あー、HRの時に言ってたね。」
「まぁな、小学校から体操してから続けてるだけだよ、しかも高校1年生はしばらく休んでたし。」
「そうなんだ、運動神経いいと思うしすぐ技とか思い出すと思うよ。」
「ありがとう。」
といって2人で教室に戻って荷物を取りにいって、わたしは体育館、公平くんは別館の体操練習室に行った。
部活中に公平くんの体操している姿みたいとか思ったり
委員会で話して以来、公平くんとは朝挨拶するくらいでまともに喋らないけど
授業中に窓の外を眺めている公平くんの横顔を見て
かっこいいと思っちゃったり、、、
やっぱ初恋の人だからかな…
結構考えちゃう…
10年も前に好きになった人で、いまも考えてるとか
周りから見たらわたしは重くておかしい女に見えるかもしれない。
それでも考えてしまうんだ。
本能的に。
そうやって授業聞いてぼーっとして公平くんを見る
この繰り返しをしていたら、あっという間に3限まで終わって昼休みだった。
お弁当はいつも玲那と2人で食べる。
公平くんは外見もいいし昔から変わらないムードメーカーで
もう友達がたくさんできて、男子数人と笑いながら食べてる。
その姿をぼーっと見てたら、
「美羽、美羽、ちょっと美羽!!」
「ん?なに!?」
「ずっとぼーっとしてるよ、もしかして山田くん見てたの?」
「美羽、最近おかしいよ、授業も前はめっちゃ集中してたのに、最近は外見たりさ~」
外を見てるんじゃない、公平くんを見てるんです。
なんて言えないから
「最近、結構疲れてるんだよね。」
とごまかす。
「そっか~、でもさっきは公平くんのことを見てたでしょ?」
玲那は鋭い、ほんとに鋭すぎる。勘がいいのかもしれない。
玲那に嘘はつけない。
「あーまぁね。」
「もしかして、山田くんのこと好き?」
「いや、違くて…」
玲那には誤魔化せないから全てのことを言った。
実は幼馴染みだけど小2になるときお互い転校してしまったこと。
そして、初恋の人が公平くんで10年の時を経て再会したこと。
玲那は
「えーーーーーーーーー!!!」
声が大きすぎるよ、、、クラス中、いや廊下まで聞こえたわ、、
「声が大きいよ!!」
クラス中全員がわたしと玲那を見る。
公平くんも
「こんな偶然ある?山田くんは美羽のこと知ってるの?」
「いやー、まだ気づかれてないと思う。」
「もーーーーう、山田くんのばか!!普通は会ったらすぐ気づくんじゃないの!?」
「10年も会ってないんだから忘れてるんだと思うよ。別に小学校一緒で実は好きだったこと気づかれなくてもいいし、言わなくてもいいし。」
「えー、山田くんに言わないの?」
「うん。」
「じゃー、私が言っちゃおうかなぁ~。」
「それはだめ!!」
またみんなの視線がわたしと玲那に向けられる。
「絶対言っちゃだめだからね!」
「はいはい、分かりました~もーう、美羽にも彼氏ができると思ったのに。」
「いつかできるんじゃない?」
「そんな他人事みたいに捉えてたら、彼氏できないよ?」
「美羽は颯汰くんといちゃいちゃしてればいいの!」
「美羽から言われなくても順調だもんね~」
玲那は中学2年生の時から藤谷 颯汰 (ふじたに そうた)と付き合っている。
中学2年生の時に同じクラスになったことで仲良くなって颯汰くんから告白して玲那がOKして今も続いている。
でも、玲那は高身長で髪はショート、少し切れ目だけど唇は丸みがあって可愛い。肌は白くてニキビとか全然ない。本当に美少女。
お母さんが元モデルなこともあり、スタイル抜群。頭もいい、喋りやすい。
だから
モテないわけがない。
中学生の時は一緒じゃなかったからどれぐらいモテてたかは詳しく知らないけど、
玲那と同じ中学出身の子曰く、
「昼休みになると、1年生から3年生まで男子が玲那のいる教室に集まっていた。」
「理科の先生と数学の先生から告白されたことがある。」
「体育祭終わりに一気に10人の男子から告白された。
「玲那ファンクラブがあって毎日誰かから放課後デートのお誘いがあった。」
現実であるんだ、こんなこと。少女漫画みたい。
漫画の世界でもここまでモテてた子を見たことない。
だから、玲那も自分はモテる。と自覚していたみたいで、
結構男遊びが激しかった。と玲那が言っていた。
自分が付き合いたいと思ったら付き合って、飽きたらすぐ別れる。
颯汰くんもそういうノリで付き合い始めたという。
でも、颯汰くんはいつも玲那のことを考えてくれてて、
サッカー部で忙しくても玲那と遊んだり、
風邪引いたら部活を休んででも、玲那の看病をしてくれたり。
最初はどうせすぐ別れると思っていたけど、颯汰くんの一途で玲那のことを大切に思ってくれている想いに気づいて、
初めて「この人とずっと一緒がいい。」
と想ったのだという。
だから、高校受験も颯汰くんと同じ高校を受験して2人とも合格して
今もほんとラブラブだ。
颯汰くんは今もほぼ毎日玲那の教室にきて、2人で喋ったり、
放課後デートもしたり。
ほんと2人を見ているとにやけちゃうし、恋しようかなって思うこともある。
「でもな~、相手もいないし、今すぐ恋がしたい!!!というわけでもないし。」
「まずいいっか。」
とまた自己解決させて、チャイムが鳴り午後の授業が始まった。