2度目の初恋
「いや~暑い、暑すぎる。朝からこんなに暑くてもうシャツベ
ベッタベタ。」



「7月だからしょうがないよ。」



「もう日焼け止め塗っても塗っても日焼けしそう!曇ってよ~~。」



「いや、曇りだともっと日焼けするんだよw。」



「そうだった、でも太陽引っ込んでてほしい。」



「ほんとそうだね〜」



わたしは暑いの嫌いじゃない、夏が好きだから。



でも、暑すぎる。



毎日日焼けと紫外線と戦ってる玲那を見て笑いながら登校する。



でも、教室はクーラーがついていて快適。



勉強にもっと集中できる。



と言いつつも、チラッと公平くんを見たら、



あれ?真面目に板書してる。



と思ったら、絵書いてた。



公平くんと再会して3ヶ月。



公平くんが真面目に授業を受けている姿を見たことがありません。




なのに、相沢先生は公平くんを頭いいと言っていた。




2週間後に学期末テストあるのに、絵かいてるか外見ているかの2択。




公平くんはどんな人なんだろう。



公平くんと離れてた10年分を知りたい。



わたしやっぱり、公平くんのこと気になる。



今日は一日中公平くんのこと考えてる。



公平くんと目が合うだけでドキッとするし、一緒に委員会の仕事をする時なんか緊張するし、まともに公平くんの顔見れないし、ひとつひとつの動作がぎこちなくなってしまう。


ずっと、勉強ばかりしてきたのに、、、


恋愛なんてわたしとは皆無なのに、、、


なんでいきなりこんな乙女みたいな気持ちになるんだろう、、、


やっぱ恋…


してるのかな、、、


今は授業中。集中しないと、成績を下げるわけにはいかない。


なんとか7限までの授業が終わり、体育館に向かう。



少し軽くなった足取りでめっちゃ暑い体育館に足を踏み入れ、部活をする。



部活中は暑いのと熱血顧問の指導で2時間ひたすら汗をかいた。



部活終わり



公平くんと昇降口でばったり遭遇した。



「美羽ちゃん、おつかれ。」



「公平くんもお疲れ。」



「体操している別館ってエアコンついているの?」



「いや、もう暑すぎた。」



「だよね、体育館もめっちや暑かった。」




「体操って8月全国大会あるんだよね?」




「うん、でももうすぐテスト前で部活休みだから、8月下旬に大会あるから、お盆までは休みなしだよ。」




「そうなんだ、てか前から気になっていたけど、」



「うん。」



「公平くんって勉強しているの?」


やばい…いきなりなんてことを聞いてるんだわたし。


あまりにも失礼すぎる。


すぐに「ごめん!!!聞かなかったことにして!」


と誤魔化したけど、


公平くんは目がまん丸なのにもっと目が丸くなり、大きく見開いている。




「あ、いや、だから席が隣だからチラッと見えるけど、外見るか絵かいてるか、それしか見たことないから気になってしまって…」



言い過ぎたと思って、下を向いていたら、



「いや、別に怒ってないし、美羽ちゃんの言うとおりだよ。」



「え?」



「俺、課題だけすればいいから。」



「なにそれ。」



「まぁ、課題だけしてればついていけるから。」



「はぁ…天才だね、わたしとは全然違うね。」


小1の時には全く頭がいいとかわからなかった。


「いや、お兄ちゃんのほうが天才だから。」



「え、お兄ちゃんいるの?」



「うん、2人ね。」



「知らなかった~」



「言ってないんだからあたりめーだろ。」



そうだった、わたしって間抜けかもしれない。



と2人でだらだら話していたら、



「もう家ついた。」



え?いつの間に2人で歩いてたんだ。



公平くんの目の先にあるのは超高層マンション。



「ここで住んでるんだ、めっちゃすごい家だね。」



「そんなことないし」



「てか、わたしの家と近いね!わたしもあと5分くらい歩いたら着くよ!」



「そうなんだ。」



会話が途切れた。気まずい。



「わたし、もう帰るね!」



「お、おぅ分かった。」



時刻は19:30。



まだ明るかったが夕陽がとても綺麗だった。



もうすぐ日没しそうな夕陽も見ながらつぶやく



「公平くんの好きかも…」
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