100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
「言ってみただけだ。
 下宿代払っても、専務が承知するわけないだろ。

 せっかくお前と二人きりなのに」

 いや、まったく二人きりな感じではない屋敷なのだが……。

「っていうか、お前と専務がいちゃついてるとこ見ながら、独り身の俺が過ごすとか、ストレスだろうが」

「あれっ?
 まだ、仲直りしてないの? 彼女と」

 そんなたいした理由もなく、揉めていたようなので、きちんと話して謝れば、すぐに仲直りできそうだったけど、と思ったのだが、内藤は、

「いや、ちょっと距離置いてから話してみようと思って。
 今行っても、また揉めるだろ」
と言う。

「ふうん。
 そんなものなのかあ」
と言うと、

「そんなものなのかって。
 お前、専務と喧嘩したりしないのか?」
と不思議そうに訊かれる。
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