100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
「あやめに許嫁?
ああ、噂には聞いたことがある」
あやめの従兄弟、朔馬は祖父の家で、祖父がボケ防止に仕事の合間にやっているオセロに付き合いながらそう言った。
「なんか大じいじたちが勝手に決めた昔話だろ」
と言いながら、最後の白を置いた朔馬が、
「よし、俺の勝ちだな」
と言うと、祖父、虎次郎はびっしり詰まった盤上を見ながら、
「うーむ。
あと一枚置けたら、わしの勝ちだったんだが」
と無茶を言う。
何処に置くつもりだ……と思いながらも、面倒臭いので、さっさと片付けようとすると、虎次郎が、
「あやめは今、その許嫁がどんな男か見極めに行っている」
と言い出した。