100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
 顔は笑ってるのにな……とあやめが思ったとき、

「そうだ。
 お二人で、映画でも見られてはどうですか?」
といきなり、高倉が言い出した。

 この固い雰囲気をどうにかしようと思って言ってくれたのだろうが。

 基は、なにも言わずに、ただ、じっとあやめを見つめている。

 私がやりました、となにをだかわからないまま、自白してしまいそうな目つきだ。

 ……怖い、と思ったあやめは、場の雰囲気を変えるため、高倉の提案に乗ることにした。

「ああえっと。
 じゃあ、この間の怪獣映画以外で」
と慌てて言って、

「恐竜だろ」
とやっと口を開いた基に訂正されてしまったが――。






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