100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
「おー、あやめじゃん。
 なんか久しぶりー」
と典子に言われる。

 いや、全然顔を合わせないとかではないのだが。

 こんなところでゆっくり話す時間はなかったので、確かに、なんだか久しぶりな感じがした。

「あー、お久しぶりですー」
と典子たちに言って、

「なんか疲れてるね。
 やっぱり、専務の秘書って、大変?」
と笑われる。

「ちょっとのミスも許しそうにないもんねー、専務」
と苦笑いして、郁花が言った。

 それはそうなのだが。

 でも、そういえば、此処に来て、一息つこうという気にはならなかったな、と気がついた。

 新しい仕事が面白くて、というのもあるかもしれないが――。
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