100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
コートに関して大きな思い違いをしたまま、基は金曜日を迎えていた。
都内のホテルで行われた同窓会は、仲間内だけで開いたものだったが、結構な人数が来ていた。
基はその大人数の中でも目立つ男、朔馬の許に行き、その後ろ頭を羊羹の入った紫の包みで小突く。
てっ、とグラスを手に他の仲間と話していた朔馬が振り返った。
「神室っ」
「土産だ。
あやめと俺から」
とその包みを渡すと、
「雨が降ったろう。
俺の呪いの雨がっ」
と顔を近づけ、叫び出す。
いや、快晴だったが、と思ったが、口に出すと、めんどくさいことになりそうだったので、黙っていた。