100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
 二人の側まで来た男は、一瞬迷って、あやめの方を人質に取った。

「こらーっ、なんで私を人質にとらないのよっ」
と間近で、浜波が立ち上がる。

「いや、だって……」
と男はあやめを連れて後退しながら、なにか言おうとする。

「古川が専務の愛人だから?」

「……許嫁です」

 えっ? 許嫁なのっ?
と知らない人たちにまで知られてしまった。

 おのれ、産業スパイめ。
< 445 / 568 >

この作品をシェア

pagetop