100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
 林はその言葉に固まる。

 営業の人も専務は怖いらしい。

 立場的にではなく、おそらく、あの融通のきかなさそうなところが――。

 そうあやめが思ったとき、林が言った。

「……もうひとりは、浜波さんだ。
 専務の秘書の」

「ええっ? 私っ?」
と浜波が叫んで、林を見る。

「あのー、林さん、浜波さん自身がご存知ないみたいなんですけど……」
とあやめは遠慮がちに言ってみた。

 すると、林は目の前にいる浜波を見て、
「あなたが浜波さんですか」
と言う。

「あんた、この会社にいて、私を知らないとかあるっ?」
とキレる浜波をあやめがなだめた。
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