100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
 


 産業スパイの一件は、大ごとになる前に終わり、浜波の一件も、朔馬を紹介しないまま終わった。

「いや~、まさか、浜波さんが産業スパイだったとは」
とあやめが秘書室で言うと、

「違うってばっ」
と浜波は言う。

「でもまあ、そういえば、あの男、なんか言ってたわー」
と浜波は、かつて、一夜を共にしたイケメンのことを語り出す。

 そのイケメンに、専務のことをスパイしろと言われたらしいのだが、浜波は綺麗サッパリ忘れていたらしいのだ。

「……さすが、浜波さんですね」

「そんな一時(いっとき)関係を持ったくらいで、女が言うこと聞くと思うとか、莫迦じゃないのって話よねー」

 ……そうなんですかね。
 よくわかりませんが、とあやめは思っていた。
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