100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
行ってまいります、と家の人たちに挨拶をし、あやめは基とともに、屋敷を出て、ガレージに向かった。
「専務」
「なんだ」
「いつも以上に高倉さんに見張られてる感じがするんですけど。
気のせいでしょうか」
「気のせいだろう。
そんなことより……」
と言いかけて、基は沈黙した。
そんなことより?
とあやめは基を見つめたが、次の言葉は出てこない。
そんなことよりっ?
と身を乗り出しそうになりながら、基の車の横にある、おのれの車に乗る。
エンジンをかけながら、また、
そんなことよりっ?
とあやめが思ったとき、基が一度乗った車から降りてきた。
「あやめ」
「は、はいっ」
「今日は、火曜だな」
「……そうですね?」