100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
 だが、そんなことを思いながらも、高倉にも蛇口をひねらせ、二人で仲良く飲んだ。

「美味しいですね、あやめ様」
「美味しいですね、高倉さん」

「今度はシャンパンでも出てくるようにしましょうか」

「それもいいですけど。
 そういえば、私、もうひとつ、子どもの頃からの夢があったんですよね」

「なんでしょう?」
と高倉が笑顔で訊いてくる。

「いろんな果物のなる木が見たいです」

「……セロテープで引っ付けたのでは駄目ですかね?」

「七夕飾りみたいですね……。
 いや、言ってみただけなので、お気遣いなく」
と言ったのだが、

「わかりました」
と高倉は言う。

「あやめ様のお望みとあらば。

 確か、ニューヨークに40種類の果実のなる木がございますから、買い付けにいってまいりますっ」
と言い出す。
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