100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
「まあ、一台で行った方がどっちか呑めるか。
お前、呑め。
俺はそんなに酒に執着はない」
ガレージに入りながら、基はそう言ってきた。
「いや……私もそんなにないですよ」
とあやめが言ったとき、基は端にある車に目をとめ、
「そうだ。
今日はこの車にしてみるか」
と言った。
かなりクラシックな感じの大きな車だが。
昔の車ではなく、最近のものらしい。
「マニュアルなんで、普段、会社に行くときは乗らないんだが」
「へー、マニュアルなんですか。
そういえば、私、免許取って以来、マニュアル車、乗ってないです」
とあやめが言うと、
「じゃあ、運転してみるか。
まだお前の願いを100個叶えてない気がするからな」
と基が言う。