100-3は? ~なにもかも秘密な関係~



「まあ、一台で行った方がどっちか呑めるか。
 お前、呑め。

 俺はそんなに酒に執着はない」

 ガレージに入りながら、基はそう言ってきた。

「いや……私もそんなにないですよ」
とあやめが言ったとき、基は端にある車に目をとめ、

「そうだ。
 今日はこの車にしてみるか」
と言った。

 かなりクラシックな感じの大きな車だが。

 昔の車ではなく、最近のものらしい。

「マニュアルなんで、普段、会社に行くときは乗らないんだが」

「へー、マニュアルなんですか。
 そういえば、私、免許取って以来、マニュアル車、乗ってないです」
とあやめが言うと、

「じゃあ、運転してみるか。
 まだお前の願いを100個叶えてない気がするからな」
と基が言う。
< 534 / 568 >

この作品をシェア

pagetop