100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
 ちょっとフラつくときもありますが。

 だいたい、まともに走るようになってるじゃないですかーと思いながら、あやめは、

「専務、願いが多すぎですよ」
と言ってみたのだが。

「願いじゃないだろ!
 俺は普通のこと言ってるだけだ!」
と言い返されてしまった。

 だが、なんだかんだで、レストランに着いていた。

「……車庫入れは上手いじゃないか」
と言ったあと、基は車を降り、深く溜息をついて言う。

「全身が痛い……」

 緊張のあまり、身体に力を入れすぎていたようだ。

「まあまあ、専務、無事に着きましたから」

 ははは、とあやめは笑ったが、基は、全然無事にではないっ、という顔でこちらを見ていた。



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