100-3は？ ～なにもかも秘密な関係～

「それじゃ、高倉さん、お仕事とおやすみの境目がないですね」
とあやめが苦笑いして言うと、

「だって、あやめ様たちの日常止まりませんしね」
と言ったあとで、

「では、私はそろそろ失礼します。
　もうすぐ駅に祖母が着く頃ですので」
と高倉は言った。

「おばあさまがいらっしゃるんですか？」

「ええ。
　母と母方の祖母がこちらにちょうど来る用事があったので、一緒に観光でもしようかと」
と言う高倉に向かい、基が、

「お前、母親がいたのか……」
と言い出す。

「木の股から生まれたとでも思ってるんですか……」
と言う高倉に、基は、

「いや、何かひとりで孤独で過酷な感じに生きてきてそうな気がしたから」
と言ったが、高倉は、いやいやいや、と否定する。

「基様、忍者から頭が離れてないでしょう。
　私、普通にそこそこいい大学を出て、普通に就職してましたからね」

「そうなのか……」
と自分のイメージとのギャップに基は衝撃を受けているようだった。