100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
 動揺しながらあやめも言う。

「私も勝手に、たくさん居る弟妹を養うために、危険な世界に身を投じた人かと思っていました……」

 高倉は笑い、
「お二人とも想像力半端ないですね~」
と言ったあとで、

「ちなみに、私、一人っ子です」
と言った。

 ……ある意味、衝撃的だ。
 普通すぎて。

 それが何故、こんな人に……?
と思うあやめの前で、先に立ち直ったらしい基が高倉に言っていた。

「高倉、おばあさまたちを連れて観光するのなら、うちの大きな方の車を使え」

「えっ、そんな申し訳ない」
と言う高倉に、

「いや、お前には普段、世話になってるからな。
 お二人とも長旅でお疲れだろうし」
と基が言うと、高倉は、

「いや、長旅って言っても、新幹線で三重からですしね」
と軽く言ってきた。

 三重? と思ったあやめは、ふと訊いてみた。

「あのー、失礼ですが。
 高倉さんのおばあさまのお名前は?」

「……服部初江(はっとりはつえ)です」

 ああ~と二人は声をあげる。
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