100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
「だから違いますって~。
 まあ確かに、双方の祖父から、昔話聞いたり、家に伝わってるものもらったりはしてますけどね」

「祖父から習うのか、父親じゃなくて」

「一子相伝の秘術とかじゃないんですねえ」

「だから、私自身は、忍者じゃないんですってばっ。
 こうなったら、言ってしまいますけど。

 私、もともとイギリスの諜報員だったんですよっ」

 だが、いやー、とあやめと基は笑って流す。

「そんな奴、その辺に居るわけないだろ」

「いや、ほんとですってばっ。
 イギリスでは、スパイ募集って、普通に求人出てますからね?

 深みに入る前に、やめて帰ってきたんですよっ。

 っていうか、スパイがその辺に居るのは信じられなくて、忍者なら信じられるんですかっ」

「此処、日本だからな。
 遅れるぞ、高倉」
と基は立ち上がる。

「あ、我々も遅れますね、急がねば」
とあやめも慌てて残りの紅茶を飲んで立ち上がった。
< 567 / 568 >

この作品をシェア

pagetop