100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
 開口一番、
「まさか、お前が専務にもてあそばれていたとはな」
と言い出す。

 もてあそばれてません……。

「そもそも、なんでそんなことになったんだ。
 お前と専務の間に、個人的な接点はなかったろう」

 コンパで専務が側にいてくれとか、ショボいこと言って、泣きついてきたとかバラすと殴られそうだ、と思いながら、あやめは言った。

「……昔、雪山で専務を助けたことがあって。
 それで、恩返しにと」

「ツルか。
 ってか、昔っていつだ?」

 うーん、とあやめは考え、
「二週間、ちょい前?」
と答える。

「……まあ、昔には違いないな」
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