100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
「それで専務がお礼に、3つ願いを叶えてやろうと言い出して」

「いや、お前。
 なんかあの人、絶対、そういうの頼んじゃいけない人だと思うぞ……」
と叶えてやろう、と言う話なのに、内藤も怯える。

 彼の頭の中でも、専務は魔王かなにかになっているようだ。

「そうよね。
 叶えてやった代わりにって、とんでもない代償を要求してきそうよね」
と言うと、

「……お前とか?」
と内藤は言う。

「そんなもの、いらないでしょうよ」

 一緒に住んでるとは言っても、広い屋敷のことだ。

 同じマンションの何処かに専務が住んでいる、くらいの感じだ。

 それで、一階にあるレストランで、食事のたびに、毎度出会って、
「あら、奇遇ですね」

 みたいなものだ。
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