そして、to be continued...

芳子


「あはははは!やっと言われたの?やっと!」
「もう八重ちゃん、そんなに笑わないでよ」
「あっはっは!あー涙出るー、だってもう何年よ、雄大のヤツ。ずーっと芳子のこと大好きでさ、いつ言うのかと思ってたら、なに?昨日?なんで昨日?そんななんでもない日に?いやーおかし過ぎてお腹痛いわ」
「……やっぱり八重ちゃんも知ってたんだよね」
「当たり前でしょう。知らない人なんていないんじゃない?」
「……誰か、教えてくれればいいのに」
「あれだけ大好きアピールされといて、気付かない方がおかしいの。それに、周りの人に、あんたの相手は雄大、っていう扱いされてたでしょ。付き合ってるって思ってる人もいるんじゃない?」
「え、そうなの?」
「いると思うよ。付き合ってるって言われても、全然違和感ないし」
「……そう、なんだ」
「そうよ。それに、芳子に近づこうとすると、必ず雄大が邪魔しにくるしね」
「それ、雄大も言ってた……」
「全方位警戒態勢だからね。あれはもう番犬よ。がるるるる〜って」
「番犬……」
「おかげで平和だったでしょ?」
「平和っていうか、なんにもなかったからなんにも知らないよ」
「なんにもなかったって思ってるのはあんだだけよ。とにかく雄大が守ってたからね。あんたに手を出そうとする男がいなくなるくらい」
「……うん……」
「で、どうするの?」
「えっ?」
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