死者の幸福〜最期のメッセージ〜
バラバラだったものが、一つの線となっていく。藍は全てがわかり、「大輔」と言った。大輔も微笑む。

「ああ、全てがわかった」



数日後、藍と如月刑事、そして大河は有働海彦の家を訪れていた。

「海彦さんの全てがわかりました」

藍がそう言うと、有働真由美と二人の息子の顔のあった緊張がさらに強まる。リビングにある椅子に座っていた藍は立ち上がった。有働真由美たちは驚き、藍を見つめた。

「書斎に案内していただけませんか?」

藍がそう訊ねると、「なぜですか?」と有働真由美は首を傾げる。大河が微笑んだ。

「そこに全てが隠されているんです」

有働真由美に案内され、藍たちは書斎へと入る。大きな棚がいくつも並び、大輔があった通り童話集があった。

大輔は鏡の国のアリスを取り出し、ページをめくる。そして、「あったぞ!」と手紙を取り出した。有働真由美たちは突然のことに驚いている。

「い、一体……」

混乱している三人に、藍は説明を始めた。
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