旦那様は内緒の御曹司~海老蟹夫妻のとろ甘蜜月ライフ~

 ……なぁ理子、ちょっとの間だけ、お前のチームを借りるぞ。

 誰よりお前の幸せを願う彼らと、お前をこの手で幸せにしたい俺とで、俺の人生をかけた最高のイベントを成し遂げて見せるから――。


 明後日の打ち合わせを済ませた後、日付が変わるころに自宅マンションに帰り着いた。すると郵便受けに大きな茶封筒が入っており、差出人の部分には無名の探偵社の名前が書いてあった。

 なんだ、これ……。怪訝に思いつつもそれを手に自分の部屋に入る。そしてリビングに荷物を置いたところで、中の書類を取り出してみたのだが。

「……ほー。なるほど」

 それはある人物に関する調査報告書で、俺にとってかなり強力な武器になる情報だった。また書類とともに数枚の写真、そして見覚えのある筆跡で書かれた小さなメモが入っており、そこにはこう書いてあった。

【この情報は好きに使ってくれ。In boccaa al lupo!】

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