旦那様は内緒の御曹司~海老蟹夫妻のとろ甘蜜月ライフ~

 それから一分もしないうちに、部屋のドアがノックされた。「どうぞ」と隆臣が返事をすると、入ってきたのはチームメンバーの女性陣ふたり、萌子さんと梢ちゃんだった。

「理子ちゃ~ん……! よかったぁ、うまくいったんだね……!」

 萌子さんのダイナマイトボディが、ガバッと私に抱き着いた。ものすごい衝撃に少々バランスを崩してよろめきながらも、萌子さんに尋ねる。

「萌子さんたち、知ってたんですか……? 隆臣の計画」
「うん。上手に知らんぷりできてたでしょう?」

 得意げな萌子さんに続いて、梢ちゃんが話しだす。

「前もってバレたら面白くないですしね。それにやっぱり私ら、おふたりのコンビが好きなんです。仕事でもプライベートでもベストカップルって感じで」
「梢ちゃん……」

 しみじみ感動して泣きそうになってしまう。そんな私を元気づけるように、梢ちゃんはドレスを手に取って言う。

「ほらほら蟹江さん、泣くのは後ですよ。着替えましょう、ふたりで手伝いますから。着替えたら、プロのヘアメイクさんに綺麗にしてもらいましょうね」

 ウエディングドレスを着て、ヘアメイク。それに隆臣の格好……もしかして、これから始まるのって……。

 まさかと思いながら隆臣を見つめると、彼は私の考えを読んだかのように頷いた。

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