旦那様は内緒の御曹司~海老蟹夫妻のとろ甘蜜月ライフ~
「いや、蟹江さんに限らず、あたしらの印象も同じだから」
「……だな。自業自得」
梢ちゃんがすかさず鋭く突っ込み、松下くんが合いの手を入れた。
なんだかこの頃ふたりの息がぴったりな気がする……。チームがまとまってきた証拠?
「っていうかぁ、仕事も一人前にできないのに、あの海老名くんと張り合おうとしてたのがそもそも無謀だったんだよ~。ドンマイ!」
萌子さんが、そののんびりした口調とは裏腹に露骨な毒を吐くと、千葉くんはとうとう泣き出しそうな顔になり、やけくそになって宣言した。
「くそっ! もうっ! こうなったら全力でチャラウサギやりますから、俺!」
……ま、まぁ、やる気を出してくれたからよしとするか。
ようやくチーム五人の足並みがそろってきたような気もするし、気を取り直して劇の脚本を作っていかなきゃ。
思い思いに仕事を再開するメンバーたちの顔を見て自分も気合いを入れなおす。
その日はメンバー全員、いつになく集中力や発想力が冴えていて、動物園イベントの企画内容は順調にブラッシュアップされていった。