旦那様は内緒の御曹司~海老蟹夫妻のとろ甘蜜月ライフ~
「俺は理子のどんな面を知ったって、幻滅したり嫌いになったりしないよ。むしろ、もっと好きになる気しかしない」
はっきり宣言してから、ちらりと理子を見る。目が合った彼女は頬を赤くしてふいっと窓の方へ顔をそらし、ツンとした態度で言った。
「……く、口ではなんとでも言えるわよ」
あからさまに照れているのに素直になれない彼女がかわいくて、ついクスッと笑ってしまった。
……口だけじゃない。どんな理子の表情も、俺にとってはかわいくてたまらないんだよ、本当に。
胸の内でそんな甘いセリフを呟きつつ、俺は上機嫌で車を運転するのだった。
マンションに到着すると、理子は今まで空き部屋だった洋室に荷物を片付けにいった。その間、俺はスーツからラフなTシャツとスウェットに着替え、キッチンでふたり分のコーヒーを淹れながら、幸せに浸る。
ああ……これでようやく理子を独占できる。人目を気にする必要もない。思う存分、彼女を抱きしめたりキスをしたり……できるわけだ。