記憶の中の溺愛彼氏
さっきまで楽しかったはずなのに、緑川先輩と一緒にいても落ち着かないし、会話に集中できない。
翔君が何を考えているのか理解できなかった。

それでも、美味しそうなデザートに私は癒されて、満悦の表情を浮かべた。

「美味しい?」
「はい、とても!」

季節のフルーツと、ケーキとアイス、生クリームで飾られたデザートをゆっくりと味わう。

「映画もよかったし、デザートも美味しいし、今日は楽しかったです!」
「俺も香奈ちゃんといて楽しかったよ、またこうして会ってくれる?」
「…はい」
その返事と共に翔君の席からガシャっと食器の当たるような音が響いた。

…まさか動揺してるとか?

私は翔君の行動が気になってしまい、先輩には化粧室へ行くから席を外しますと言って立ち上がった。
翔君のテーブルを横切る際に、指の合図であっちで待ってるねと伝えると、翔君も分かったようだった。

少し奥まったスペースで待ってると翔君が現れた。
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