記憶の中の溺愛彼氏
ライバル登場
対談の期日が決まり、私の周りでは最近この話題ばかりだ。

「鶯谷グループ御曹司との対談って凄いっす!俺達の社長ってどんだけ〜っすかね!」
「ねえ、知ってる?現会長は企業相談役として、大企業に貢献している人だし、社長は鶯谷グループを全国に広げた覇者で、うちの社長と対談する専務は、やり手でひと癖もふた癖もあるらしいわよ。」
「じゃあ、そんな相手と社長って、どこか接点とかあるんですか?いつもなら絶対に取材とか断るじゃないですか?」
「うちの社長とは高校の先輩後輩だったみたいですよ。その事もあって対談も可能になったとか…」
「そういう繋がりなんですか…納得っすね!」

対談相手のプロフィールを見ると、確かに女性受けしそうな甘いマスクで、会社での肩書きもあるから、きっと凄いのだろう。

そんな相手との対談話で周りが盛り上がっていても、私には関係ない出来事みたいだった。


当日になると、雑誌社の人達が重そうな機材を持ち込んで、バシャバシャと写真を撮り始めた。

カメラの光と照明機材の光が社長である翔君を照らし、モデルのように輝いてみえる。
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