記憶の中の溺愛彼氏
翔君は会社の紹介も兼ねて、インタビューを受けながら各部署を自ら案内した。

今後の会社の方針などを交えながら、説明をしていく翔君と取材陣を、遠巻きに同僚たちと眺めていた。


時間が過ぎて、鶯谷グループとの対談の時間がやってきた。

「社長…鶯谷専務との約束のお時間です」

「分かった」

取材陣を引き連れて、1階のエントランスへと続いていく。

鶯谷グループの専務の為に、後輩として、社長として、会社の入り口で出迎えるらしい。

「ようこそ、お待ちしておりました。」

翔君は鶯谷専務とニッコリと挨拶を交わした。

鶯谷専務は確かに圧倒するほどのオーラを纏っている気がした。
整った容姿に自信たっぷりの性格は、これからの鶯谷グループを引っ張っていく象徴に似つかわしかった。
専務の横には数人の部下と、秘書らしき女性が付き添っていた。

「久しぶりだな、宇都宮!」
「ご無沙汰してます先輩!」

社長として簡単な挨拶を交わし、翔君は斜め後ろで待機する女性秘書の存在に、気がついた。
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