記憶の中の溺愛彼氏
そんな状態が続いたある日、いつものように朝の就業開始前にコーヒーを飲んでいた時だった。

「ねえ聞いた〜!?最新情報!!なんと社長の恋愛スクープ!!」

「何、何?」

「鶯谷専務の秘書さん、あの人って専務の従姉妹ですって!うちの社長とは元から面識があって、付き合ってる噂があったみたいよ。」

「再会を機に二人はヨリを戻すとか、戻さないとか…?」

「あ、俺目撃したことあります。なんか、仲良さそうに歩いてるとこ見ました!」

「社長も婚約者とダメになった後だし、いい組み合わせよね〜」

「会社の提携話から、そのうち社長ごと吸収合併になったりしてね〜」

「………」

色々なこと、みんな好き放題に言ってて、私は面白くなくて、全然笑えなかった。

自分の都合で翔君を手放した筈なのに、しかも彼氏でもないのに独占欲のような気持ちで、平静になれなかった。
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