記憶の中の溺愛彼氏
メールの受信が何度も入り、着信もかかってきたけれど、私は無視することにした。

鬱憤がたまり、誰かに聞いてほしくて、私は美亜に会いたくなった。

「…香奈のそれって、独占欲からくるヤキモチなの?それとも翔君が好きだから辛いの?」

美亜に私の正直な気持ちをぶつけて、複雑な自分の気持ちを分析してもらいたかったけれど、逆に美亜に指摘された。

記憶が欠けていた最初の頃は、翔君と自分の関係をハッキリさせるのが怖かった。

翔君は、カッコ良すぎるし、ハイスペックだし、手の届かない大人で、自分の知ってる翔君じゃなくて…

けれど、家でも会社でも私のことを心配して、しかも気を配って、守ってくれて、自分でも気付かないほど翔君を必要としていた。

美亜からは、正直に自分の気持ちを翔君に伝えれば受け止めてくれるからねって、アドバイスされたけど…
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