記憶の中の溺愛彼氏

それを耳でチェックしながら、私と美亜はお皿いっぱいのスイーツを食べ、樹は肉系を頬張っているところだ。

「翔君のスピーチがあるみたいだね」
「お偉いさんの挨拶か！短いの希望！！」
「乾杯の挨拶はイケメンにしてほしいね」
「じゃあ、俺が出ねば」
「樹は引っ込んでて」
「ひどっ！」
「ねえ静かにしよう、悪目立ちしちゃうよ…」
「あ、あれ翔君だ！」
「決めてんな！あははっ！あの顔笑える」
「緊張してるのかな？」

司会者の近くで関係者と挨拶をしながら、翔君が握手をしている所だった。数人の人がその周りを囲ってお祝いの言葉を述べていた。
翔君の挨拶と関係者の祝辞、乾杯の音頭は、予定通りに行われ、鶯谷グループ代表として専務も顔を出していた。