記憶の中の溺愛彼氏
落ち着いた雰囲気のある知っている顔…
少年っぽい顔立ちから、大人の男性に変化した感じ。
昔から整った顔立ちをしていたけれど、イケメン俳優といってもいいくらいだ。
思わず見惚れて目が離せない。
そんな私に気付いたのか、ガン見する私と目を合わせながら近づいてくる。
「香奈!!」
声と共に強く抱きしめられた。

…え、待って?

私と翔君って抱きしめられる関係だったっけ?

「おーー!見せつけてくれるな〜お二人さん!」
「ふふ、そうだね」
「心配なのは分かるけど、香奈が固まってるぞ、ほら見てみ!」
「………」

腕の力が緩められて、至近距離から翔君が私の顔を覗き込む。
「悪い、つい…」
「電話でも話したけど、香奈の精神年齢は17歳だからな、気をつけたまえ」
「精神年齢って、言い方!記憶が17歳に戻ってるって言わないと」
「もう、香奈の顔が強張ってるじゃない!」
「お?初々しいね17歳!顔だけ25歳!」
「一言多いから、バカ樹!」
パチンと美亜が樹の肩を叩く。
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