rikulu bulls
「チッ…。」
俺は分かりやすく舌打ちをすると
地面に転がっている錫杖を手に取り構える。
俺の瞳が灰色に染まった。
「…やはり『ハープ』ですね。」
朱雀が言った。
『ハープ』?
何だそれは。
…やはり…?
もしかして…。
「…俺の事か…?」
恐る恐る聞いてみる。
「おや、知っていましたか。」
「いや、初耳だ。『ハープ』とは何だ?」
「それは貴女の事ですよ。」
「それは分かった。何の事を言っているのか聞いてるんだ。」
「それを言うには貴女は知らなすぎる。
今は言えません。」
「俺がお前等とまた会うとは限らないが?」
「いいえ、また会いに来ますよ私達が。」
「二度と御免だな。」
そう会話すると奴等は一瞬で消えた。
俺が頑張った意味とは。
まあ、戦わないで済んだしいいか。
「…あー大丈夫だったか弧奇墨…。」
「特にヘーキ。」
そう言って弧奇墨はチラリと俺を見やる。
「…?どうした弧奇墨?」
「いや、なんか気になった。」
「はは、何それ。」
俺は笑った後で気づいた。
今、無意識に笑った?
生まれてこのかた本心で笑ったことの無い俺が?
今、本心で?
…足音が階段の方から聞こえてくる。
先生たちが駆けつけに来たのだろう。
お、天病が復活してる。
「すっちゃああああん!!」
「紺珠ちゃああああん!!」
阿伎留先生と天病の声が重なった。
なんか似た者同士だな。
「良かった怪我ない?」
「いや、大丈夫だけど…弧奇墨の心配は…?」
「あら御免なさい、弧奇墨君大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫っす。」
この事件はのちに
俺たちの物語を進めるギアとなった。
しかしこの時の俺はまだ知らない。
そして自室に戻った天病と俺。
俺たちは同じ部屋だ。
静かになった部屋で俺は話を切り出した。
「なあ天病。」
「どしたの?」
「俺の本心の笑顔見たことあるか?」
「…は?無いけど?」
「俺さ、彼奴の前で無意識に笑ったんだ。」
「…ふーん。」
「ありえなく無いか普通。
男がダメだった俺がだぞ?」
「うんそうだね。」
「なんかしたか俺に…いやでもそんな事は…。」
「すっちゃん。」
「ん?」
「それさ、弧奇墨の事好きなんじゃ無いの?」
「…はあああああああああああああああああ!?」
俺は大きな叫び声をあげた。
…いやあげずにいられないだろうコレは。
あり得ないあり得ない!!
男性恐怖症の俺が?
弧奇墨が好き!?
死んでも信じられん。
更に天病が俺に言った。
「告白したら?」
「ふざけてんのかお前はぁ!!」
「いやだって好きな人が出来たらする事じゃん?」
「お前と一緒にすなああああ!!」
此奴はマジでいかれてやがる。
あ、元々か。
いやそんなんはどうでも良い!!
俺が弧奇墨を好き!?
無い無い無い!!
ホントこれだけは完全否定出来る!!
俺は分かりやすく舌打ちをすると
地面に転がっている錫杖を手に取り構える。
俺の瞳が灰色に染まった。
「…やはり『ハープ』ですね。」
朱雀が言った。
『ハープ』?
何だそれは。
…やはり…?
もしかして…。
「…俺の事か…?」
恐る恐る聞いてみる。
「おや、知っていましたか。」
「いや、初耳だ。『ハープ』とは何だ?」
「それは貴女の事ですよ。」
「それは分かった。何の事を言っているのか聞いてるんだ。」
「それを言うには貴女は知らなすぎる。
今は言えません。」
「俺がお前等とまた会うとは限らないが?」
「いいえ、また会いに来ますよ私達が。」
「二度と御免だな。」
そう会話すると奴等は一瞬で消えた。
俺が頑張った意味とは。
まあ、戦わないで済んだしいいか。
「…あー大丈夫だったか弧奇墨…。」
「特にヘーキ。」
そう言って弧奇墨はチラリと俺を見やる。
「…?どうした弧奇墨?」
「いや、なんか気になった。」
「はは、何それ。」
俺は笑った後で気づいた。
今、無意識に笑った?
生まれてこのかた本心で笑ったことの無い俺が?
今、本心で?
…足音が階段の方から聞こえてくる。
先生たちが駆けつけに来たのだろう。
お、天病が復活してる。
「すっちゃああああん!!」
「紺珠ちゃああああん!!」
阿伎留先生と天病の声が重なった。
なんか似た者同士だな。
「良かった怪我ない?」
「いや、大丈夫だけど…弧奇墨の心配は…?」
「あら御免なさい、弧奇墨君大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫っす。」
この事件はのちに
俺たちの物語を進めるギアとなった。
しかしこの時の俺はまだ知らない。
そして自室に戻った天病と俺。
俺たちは同じ部屋だ。
静かになった部屋で俺は話を切り出した。
「なあ天病。」
「どしたの?」
「俺の本心の笑顔見たことあるか?」
「…は?無いけど?」
「俺さ、彼奴の前で無意識に笑ったんだ。」
「…ふーん。」
「ありえなく無いか普通。
男がダメだった俺がだぞ?」
「うんそうだね。」
「なんかしたか俺に…いやでもそんな事は…。」
「すっちゃん。」
「ん?」
「それさ、弧奇墨の事好きなんじゃ無いの?」
「…はあああああああああああああああああ!?」
俺は大きな叫び声をあげた。
…いやあげずにいられないだろうコレは。
あり得ないあり得ない!!
男性恐怖症の俺が?
弧奇墨が好き!?
死んでも信じられん。
更に天病が俺に言った。
「告白したら?」
「ふざけてんのかお前はぁ!!」
「いやだって好きな人が出来たらする事じゃん?」
「お前と一緒にすなああああ!!」
此奴はマジでいかれてやがる。
あ、元々か。
いやそんなんはどうでも良い!!
俺が弧奇墨を好き!?
無い無い無い!!
ホントこれだけは完全否定出来る!!