rikulu bulls
three. little girl
そして数日後…。
図書室。
俺は小さな分厚い本を片隅で読んでいた。
…何か凄くモヤモヤする。
はあ、本読んでも頭からあの言葉が離れん。
『それさ、弧奇墨の事好きなんじゃ無いの?』
…いやあり得んし。
まあ、取り敢えず今は本を読もう。
放課後だし。
……無理だわ。
俺は本を戻そうと背伸びをする。
あれ、届かねぇ。
いや、あと少しで…!!
すると誰かが俺が持っていた本を戻してくれた。
「あ、ありがとう…!?」
「?どうしたの?」
なんでこーゆー時に弧奇墨に会うんだ…。
てか、今此奴俺に触れたよな?
何で拒絶反応が出て来ないんだ?
もしかして本当に…。
いやいやあり得んし!!
むしゃくしゃしながらも俺は弧奇墨に話しかけた。
「め、珍しいな弧奇墨が図書室にいるなんて。」
「そう?まあ確かに本あんま読まないけど。」
「そ、それじゃあ俺は先に戻るわ。
じゃ、じゃあな。」
「うんバイバーイ。」
弧奇墨に手を振りながら俺は図書室を出た。
…何この心臓音!!
すっごい五月蝿いんだけど!!
しかも何か顔熱いし…。
あーもうヤダ。
部屋もーどろっと。
数分後・自室
「た、ただいま天病。」
「おはへひ〜。」
「何食ってんだお前。」
「ほへひ。」
「嗚呼、ポテチね。」
ごくん、と天病が喉を鳴らして飲み込む。
「弧奇墨にあったでしょ?」
「ブーーーッ!!」
飲んでいたお茶を思いっきり吹いた。
そりゃそうなるでしょ。
何、此奴エスパー?
俺の記憶でも読んだの?
「な、何で知って…。」
「えーだって顔赤いし、目が泳いでる〜。」
「うわぁ、流石天病だわ。」
「ウェーイ。」
「…ポーズいらん。」
此奴はホントに侮れんな。
俺の何もかもを知ってそうで怖い。
こりゃ敵にまわしたらあかん奴や…。
て、そんな事はどーでもええんやけどな。
なんかもう関西弁になってきとる…。
まあそんな事はどうでも良いとして!!
「コホン…。お前ライクルブルズ使ったな…?」
「…バレた…?」
「バレた?じゃねぇよ馬鹿野郎!!
ライクルブルズの使い方間違っとるわ!
戦闘に使えよお前は!
くだらんことで使うな!!」
俺は取り敢えず天病を罵倒、罵倒。
大声で凄い罵った。
だって、ねぇ?
ライクルブルズを俺の恋愛事情に使うかな?
って、別に好きって決まった訳じゃないけど!!
コホン。
まあ、取り敢えず面倒だしそれは置いとこう。
「…ところで何してるんだお前。」
「見る〜?」
「見る。」
天病は俺にスケッチブックを見せてきた。
そこに描かれた絵は残酷なものだった。
天病の好きな人だった。
眩しいくらいの笑顔で天病と居る。
「…楽しい?」
「うん!!」
即答かよ。
此奴にとっては残酷なはずなのに。
何で笑顔でそんなん描いてんだよ。
俺なら耐えきれない。
やっぱ此奴には敵わないな。
俺より心が強い。
…天病すまないな。
俺はお前の救いにはなれないよ…。