rikulu bulls
…帰って来ない…。
やはり何かあったのでは?
俺はすぐに任務服に着替えた。
そのまま部屋を出て天病を探す。
まずは一番近い教室から。
次に食堂、図書室、保健室ー。
全く見当たらない…。
この時間はもう消灯時間。
もう一度部屋に戻った。
もしかしたら居るかもしれない。
俺は息を切らしながらガチャリと
部屋のドアを開ける。
しかし、そこには誰も居なかった。
…あり得ないだろ。
こんな時間に任務は絶対にあり得ないし、
もしあったとしても連絡が来るはず。
こうなると頼れるのは…
「…優離ッ!!」
「…どうしたのこんな時間に…眠い💤」
「俺の話を聞け!!」
「ええ…(´-`).。oO」
「緊急事態なんだ。」
俺は小声で優離に耳打ちする。
「…成る程。それで私にもしもの時のために
時間稼ぎを頼みたい、と。」
「飲み込みが早くて助かる。
頼まれてくれないか…?」
「…クッキーで手を打ちましょう。」
「有難う!!それじゃあ!!」
俺は走って足音を立てずに学園を出た。
「…頑張ってね、鈴薙…。」
優離のその言葉は俺に聞こえなかった。
「は、は、天病ーーーーー!!!!!!」
力の限り俺は叫んだ。
全く…俺は何でこうもこういう時に居ないんだ…。
この、馬鹿野郎!!
でも今は天病を探すのが最優先。
早くしないと…。
《随分と忙しそうだな紺珠鈴薙。》
俺の頭の中に声が響いた。
確かこの声は…
「白虎か…!!」
《おう、御名答。》
「お前らか天病を連れ去ったのは!!」
《天病…?嗚呼あの読解力のガキか。
残念だがそれは俺らではない。》
「…本当だな?」
《こう見えて俺は嘘はつかないんだぜ?》
「信用できるか。」
《…そうくると思った。
折角読解力のガキの居場所を教えてやろうと
ここまで来たのに。》
「天病の場所を知ってるのか!?」
《まぁな。》
「今すぐ教えろ!!」
《ただでは教えない。一つ此方の条件をのめ。》
「条件によるが…いいだろう。」
《俺たち四神に協力しろ。》
「…他の条件で頼む。」
《…仕方ないな。ならば少しの間四神に協力しろ。》
「ええ〜…。」
「わがままな餓鬼だな!!少しくらい従え!!」
いい加減じれったくてイライラしたのか、
俺の前に出てきた。
「…うわ。」
「何だその変なものを見る目!!」
「てか、協力してほしいってことは、
学園の生徒でないと出来ないことなんだろう?
そしてその中でもお前達四神を知っていて
かなりの力を貸してくれる奴でないと無理なんだろ
う?」
「…フン、よく分かってるじゃないか。」
「最初から率直にそう言え。」
「…うるさい。まあいい。
まずお前が知りたがっていた
『ハープ』について教えてやる。」
白虎はそう言うと俺の頭に直接映像を流した。