rikulu bulls
今から丁度100年前の2025年。

俺達四神をとある手紙が届いた。

その手紙にはこう書かれていた。


『100年後に四神などの神を超える人間が現れる。
早く見つけ出して始末せねば神殺しが
始まるだろう。』


俺達はかなり驚いた。

青龍と朱雀は特に驚いた様子ではなく、
落ち着いた様子で俺と玄武は慌てた。


「今すぐにその人間を探すべきだ!」

「落ち着きなさい白虎。」

「いや、私も同意です!」



「落ち着けと言っているだろう。
慌てても身を滅ぼすだけだ。」


「せ、青龍、しかし…。」


「玄武。お主はいささか急ぎ過ぎだ。少し落ち着け」


この言葉には俺も玄武も口を開けなかった。

青龍は俺達四神の中でも一番霊力が強かった。

俺は一番下。

かなり不服があったが実力は確かだし仕方ない。

そのまま俺達は解散となったが、
どうも落ち着けなくて朱雀の処へ行った。


「なぁ、朱雀。手紙に書いてあった
人間の事なんだが…どうするんだ?」


「…出てくるのは100年後です。
それまでに見つけておけば良い。」


朱雀はそのまま黙って行ってしまった。

その後俺達は何回か人間界に行ってみるものの、
それらしい人間はおらず…。

そしてあっという間に半世紀経った。

再び手紙が俺達の元へ届いた。


『神殺しを止めるためには“ハープ”を探せ。
其の者達を犠牲にし、神殺しを止めろ。
“ハープ”は4人。四神それぞれの瞳と同じ色
の瞳をしている。しかし普段は黒眼だから
気をつけろ。』


そう、この通り『ハープ』とは神殺しを止めるための
犠牲になるもの達だ。

つまり早く見つけ出さなければ俺達や他の神々が
殺されるんだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


































「…分かったか?」


白虎は俺に尋ねる。

俺はそれどころではなかった。

もしかしたら天病も朱雀の『ハープ』なのでは?

そんな考えがぐるりと頭を巡る。

俺は目の色からして、白虎の『ハープ』だろう。


「なぁ、白虎。」

「どうした?」

「犠牲ってどういう犠牲なんだ?」


犠牲という言葉にも他の解釈の仕方があるだろう。

共に戦うという意味の犠牲なのか、
あるいは…

生贄、という意味なのかー。

































「知らん。」






























「…はああああああああああああああああッ!?」




























思わず叫ぶ。


「おま、知らんって一番大事な処だろう!?
しかもお前らにも関係ある事だぞ!?
何故お前が知らないんだよ!?」


「う、うるせぇ餓鬼だな…。知らんもんは知らん。」


「んのッ…!!バカ白虎!!」


「あ?テメェ神に対して馬鹿ってなんだ馬鹿って!」


「馬鹿に馬鹿って言って何が悪い!!」


「馬鹿じゃねぇ!!」


「正真正銘の馬鹿だよ!!」



「「はあ、はあ…」」



俺達はお互いを罵倒しまくった後、
息切れして会話が止まった。
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