rikulu bulls

two.past

『嫌!やめてよ!お願いだから…!!』


牢屋に響く泣き叫ぶ少女の声。


よく見るとその体は傷だらけ。


髪もグシャグシャで服も所々破れていた。



『ごめんなさいごめんなさい許して下さい。』



少女はひたすら謝り続けていた。


彼女は何故ここにいるのか自身でも分からなかった。


だって生まれた時からここに居るのだから。


毎日毎日実験をされ、
抵抗すれば暴力を振るわれ、
心身ともに疲れ果て傷だらけになっていた。


研究員は男だけ。


そして度々殺し合いをするのだ。


そんなある日…。


一度だけ彼女が本気で抵抗した時があった。


もう限界で理性が吹っ飛んだのだ。



…しかしその時の彼女は力が弱く直ぐに倒された。


全く歯が立たなかったと言っても良いだろう。


その後にはキツイ仕置きが待っていた。


彼女は実験台にいつもより強く抑えられて、


『いやああああああああッ!!』


刃物で右目を思いっきり潰された。


更に無くなった右目に何かされた。


其処の記憶は曖昧だ。





そんな中で唯一の希望が一緒の牢屋の少女だった。





…しかしある時戻ってこなかった。


何故なら彼女が殺したからだ。


少女はわざと隙を見せた。


彼女は殺す前に涙して少女を殺した。


その後はほぼ一瞬にして研究所が滅んだ。


それは怒り狂った彼女が殺したからだ。


屋根の上に彼女は胡座をかいた。



「ーー。ねえ、夕日ってこんなに綺麗なんだね。
ねえ、ーー。」



彼女は死んだ少女に話し掛けながら涙を流した。


名前はもう覚えてない。


こんな事は忘れようとしてたから。


彼女はこの瞬間に『ライクルブルズ』が開花した。


その時はまだ分からずただ放っておいた。

その数日後、彼女は少女の隣で
寝ているのを発見された。


彼女は其処で気がついた。


男性恐怖症になってしまったということにー。


その後、阿伎留という女性に引き取られた彼女。


髪を切り右目を隠し
その瞬間に
男として生きる事を決めたのだ。


『…私はもう女として生きていけない。』


それが彼女の女として最後の台詞だった。




『先生、俺を強く育てて下さい。
どうしても強くなりたいです。お願いします。』




彼女、いや、彼は阿伎留に向かってそう頼んだ。
















此れが『ライクルブルズーノーボォ』の持ち主、


紺珠鈴薙が誕生したお話である。















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