嘘でもいいから、傍にいて…

学校に向かう途中。


「なぁ、あの子超可愛くね？！話しかけてみようぜ」

2人組のチャラそうな男の人達だ
うわぁ…怖い……


耳にはキラキラと光るピアスをいくつも付けている。服も着崩していて、はだけた胸元のボタンの間からネックレスがジャラジャラと付いてるのが見える



話しかけられませんように！！


そう言ってその横をそそくさと通り過ぎる──



が、それをはばかられるように腕を掴まれた


──怖い


「ねぇ君、可愛いね。良かったら俺といい事しようか？」


グイグイと引っ張られる手を必死に抵抗する
でも、相手は男だから敵う訳がなく
連れ込まれそうになる

──誰か助けて
怖くてどうすることも出来ず、ギュッと目を瞑る


「おい、俺の彼女に触んな」


上から聞こえてきた不機嫌そうな低い声に顔を上げる



「っ……！」



カッコイイ……そんな一言では表せないほどに整いすぎた綺麗な顔をしている。
ウェーブがかかった金色の髪に切れ長の目。
モデルみたいなスラリとした体型。


完璧な容姿に思わず、目が奪われる



「チッ…男連れかよ」



ナンパしてきた男達はそそくさと立ち去って行った