シャッターを押したら君と恋に落ちる。〜カスミソウの花言葉〜
私は勉強をして常に一位をとっていた。
そうすれば母も喜ぶかもしれないと思ったから。
だけど母は私になんて見向きもしなかった。
だから勉強をやめた。
それでもなぜか一位をとれてしまう。
そして皆からはいつの間にか信頼されて成績優秀、運動神経抜群の学校の高嶺の花になっていた。


「おはようございます、先輩!!」

「………おはよう?」

校門の前で飯島君が私が来るのを待ち構えていた。

「先輩って来るの遅いんですね」

「そうかな?」

私が来る時間はいつもお母さんによって変わる。
お母さんが機嫌悪いと遅い。
機嫌がいいと来るのは早い。
一応、早くいきたい私は朝早く起きて準備するんだけどお母さんが機嫌悪いとやらなきゃいけないことが増えるんだ。
だから遅くなる。

「ねぇ、飯島君はどうして私を好きになったの?」

たまに忘れてしまいそうになる。
飯島君が私のことを好きだってことを。
正直、私のどこを好きになったのかがわからない。
だって愛想もなくて人が嫌いで、無口で暴力振るってしまったのに。
どうして私を好きになってくれたの?
それがずっとわからなかった。

「………そうですね」

彼は少しの間、黙っていた。
すぐに答えられると思っていたから私はちょっと驚いていた。
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