シャッターを押したら君と恋に落ちる。〜カスミソウの花言葉〜
第2章 消えていくもの

違和感




「飯島君、大丈夫?最近元気ないけど………」

最近の飯島君は私の教室にあまり来なくなった。
いつもは毎時間来ていたのに………。
それが朝の時間と昼休みくらいなんだ。
だからちょっとさみしい………。

「何かあるならいつでも相談してね」

私はそういった。
けど飯島君はうんともすんとも言わない。
やっぱりおかしいな。
前とは何かが違う。
まるで別人みたい………。

「………先輩もですよ?」

「………うん」

ねぇ、飯島君。
飯島君は消えたりなんかしないよな?
怖いよ………。
なぜだかわからないけど。
君が消えそうで………。

「もう少しで夏休みだね」

体育祭が終わってもうはやくも七月。
もう少しで夏休みを迎えようとしている。
今年はどんな夏休みになるのかな?
去年は確か………。

「寂しかったな………」

私は小さく呟いた。
去年は家にいるか写真を撮ったりしていた。
それで宿題は夏休み三日目までには終わらせていた。
でも暇だったんだよね………。
お母さんとはあまり話さないし。
ただ、食事を与えられてるだけ。
それいがいはなにもない。
お金だってもらってない。
だから私はこのカメラが一番大切なんだ。
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