シャッターを押したら君と恋に落ちる。〜カスミソウの花言葉〜
「お母さん、買ってきたよ」

私はドアを開けてお母さんに知らせた。
お母さんが好きなものだからこれでだいたいは機嫌がとれるだろう………。
こういう時、頭の良さが必要だよね。
それで私はお母さんのいるリビングの扉を開けた。

「お母さん………寝てるの?」

お母さんは寝ていた。
ビールはほんのちょっとこぼれていた。

「スースー」

お母さんの寝息が聞こえてくる。
今のうちにさっきの回収しとかなきゃ。
私はゴミ箱に捨ててあったアルバイト関係のを回収した。
そして自分の部屋のタンスにしまった。
これでもう大丈夫だよね。

「………なにもない部屋だな」

私は自分の部屋を見渡した。
シンプルなのかな?
私の部屋には机があってそのとなりにタンスがある。
それで押し入れがあってだいたいの物はそこに入ってる。
カメラは机の上に置いてる。
寝るときはベッドではなくて布団を敷く。
これでもちゃんと与えられてる方なんだよね。
お母さんはお父さんと離婚してから私を育てるために頑張ってくれてた。
だから一応………感謝はしているんだ。
それにあれでも私の親だからね。
恨んでも憎んでも変わらない。
あの人は私のお母さんだ。
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