シャッターを押したら君と恋に落ちる。〜カスミソウの花言葉〜
そう思っていたら玄関の開く音がした。
そして私は玄関の方に行った。

「お帰りなさいお母さん」

私はお母さんの顔を見ていった。
だけどお母さんは私の顔を見なかった。
そして何も言わずにリビングに行った。
〝ただいま〟ってなんで言ってくれないんだろう………?

「まだ風呂入ってなかったの?」

「あ、………うん」

ついさっき帰って来たからなんて言えないし。
まあ、お母さんを待ってたんだよね………。
お帰りって言うのが一応日課でもあるから。
だけどお母さんは絶対に〝ただいま〟なんて言わない。

「今からお風呂入る………ね?」

「………」

お母さんはあまり私とは話さない。
………今日はちょっと機嫌がいいのかな?
だって殴ったりしないから。
声を荒らげたりしない。
私はお母さんの〝いつも〟を見ているからわかる。
きっと何かいいことがあったんだろうな………。

「お風呂でたらそのまま寝るね。じゃ………」

私は自分の部屋に一旦戻った。
お母さんは本当に喋らない。
私………生きてていんだよね?
不安になっていく。
だけど大丈夫………。
お母さんはまだ私を必要としてる。
だから大丈夫。

「………お母さん………寝たの?」
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