シャッターを押したら君と恋に落ちる。〜カスミソウの花言葉〜
そしてそこにいたのは。

「お父さ、ん………?」

お母さんではなくお父さんだった。
どうしてここにいるの?
愛人といなくなったくせに。
私が人間嫌いになった原因なのに。
それなのにどうしてこいつが家にいるの?

「聖奈、大きくなったな」

お父さんは過去のことなんかなかったかのように話してきた。
一体………何を考えてるの?

「聖奈………お母さんは?それにこんな時間までどこにいたんだ?」

今は7時半だった。
随分と父親らしい口調ですこと。
私はイライラしていた。
だって父親の態度がうざいから。
それ以外ない。

「別に私がどこにいようが勝手でしょ?それより何しにきたの?」

正直言って、この人の顔は見たくなかった。
過去のことをまた思い出してしまうから。

「お父さんは心配しているんだ!」

「心配?………よく言うよね。愛人作って出ていったくせに………。そのあと私がどうなったかわかる?」

ヤバい。
止まらなくなりそう。

「何かあったのか!?」

なんで心配すんのよ!
うざい。
もう話したくない。

「………聖奈っ!?」

私は靴を脱いで自分の部屋に行った。
なんであいつがここに住んでることを知ってるの?
どうやって入ったの?
< 52 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop