シャッターを押したら君と恋に落ちる。〜カスミソウの花言葉〜
ー遥斗sideー

俺の病気が見つかったのは中三の夏だった。
受験勉強や色んなことがあった。
そんな時に病気が見つかったんだ。

「飯島君、」

医者は重たく口を開いた。
俺の病気は………難病でいまだに手術がわからないらしい。
手術はしても無駄なだけだと言われた。
体が傷つくだけだと。
はっきりと言っていた。
難病だからなのかよくわからないけど。
手術をしてもダメなんだということは理解できた。

「もう嫌なんだよ………っ!受験勉強なんかしたって意味なんかないだろ………!どうせ俺は死ぬんだから!」

俺の心はもう限界だった。
受験というストレス。
そして難病を抱えていたんだから。
いつ爆発してもおかしくなかった。
俺は怒ったまま外に飛び出した。
もうダメなんだ。
生きていても意味がない。
どう生きろって言うんだよ!

「………くそっ!」

俺は近くにあったゴミ箱を蹴った。
そして俺は近所の公園に入った。
ブランコに腰かけた。
ブランコが音を立てた。
俺は空を眺めていた。
そんなところに現れたんだ。

「………家出少年かな?」

俺はゆっくりと声がした方に顔を向けた。
そして目を見開いた。
その人はとても綺麗だった。
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