シャッターを押したら君と恋に落ちる。〜カスミソウの花言葉〜
「………っ」

「………中三………、かな?」

その人はズバリと俺の学年を当てた。
そして俺の隣の空いているブランコに腰かけた。
彼女は俺と同じように空を眺めていた。
空って言っても月だけど………。

「ねぇ、知ってる?」

「………何をですか?」

俺は一応、警戒はしていた。
けどそんなことお構いなしに続けてきた。

「月っていろんな言い方があるでしょ?そのなかでも一番最初にくるのが新月。そのつぎに三日月。それで最後にくるのが満月」

「?はぁ………」

そんなこと知ってるけど?
そう思って俺は何かを言おうとしたができなかった。
彼女がまた話し出したから。

「1ヶ月って月が一周まわって1ヶ月って言うんだって。正確に言うと29,5日なんだけどね」

そう言って笑う。
へぇ、そうなんだ………。
初めて知った。

「他には何かあるの?」

俺は彼女ともっと話したい。
彼女の話を聞きたい。
もっと一緒にいたいと思って聞いていた。

「うーん、特にこれと言ってピンと来るのはないかな?それより………なんでこんな時間に受験生かまいるのかな?」

「………」

そんなこと言われたくない。
俺から見たら彼女も俺と同い年位だと思うけど。
そうしたら俺の考えに気がついたのか。
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