シャッターを押したら君と恋に落ちる。〜カスミソウの花言葉〜
いくら勉強はできてもこういった恋愛の方はゼロだからな。
私は必死に考えた。
だけど思いつかない。

「名前は………何て言うの?」

彼の目がすごい輝いていたから負けてしまった。
だから私は一応、名前だけは覚えておこうと思ったんだ。
今だけ負けたんだから。
明日からは逃げればいいんだしね。
そう思った。

「俺の名前は飯島遥斗です!一年です!!」

そう学年も名乗った飯島君。
飯島遥斗君ね。
覚えられそう。

「わかった、ありがとう」

なんで私がお礼を言ってるのかな?
そうちょっぴり思ってしまった。

「ごめんなさい、もう時間なので失礼させていただくわね」

そう言って私は教室に戻った。
そして私はこれから待っている地獄を知らずに授業を受けていた。

ーキーンコーン

チャイムがなった。
そして皆は立ち上がって次の移動教室へ向かう準備をしていた。
私も準備をしようと思って立ち上がったときだった。

「指原先輩!」

教室の扉の前で目を輝かせながら私の名前を呼ぶ飯島君。
私はギョッとした。
何でいるの!?
って思ったから。

「先輩に会いたくて来ちゃいました!」

なんて幸せそうな顔をして言う飯島君に私は飽きれぎみ………。

「飯島君、私たちのクラスは次の授業移動だからもう行かなきゃいけないから」

そう言うと飯島君はそんなの大丈夫だよって顔で私に言った。
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