シャッターを押したら君と恋に落ちる。〜カスミソウの花言葉〜
そして俺は無事に合格した。
入学式の時に出会ったんだ。
あの日の彼女に………。

「ご入学おめでとうございます」

在校生代表として挨拶をしていた。
挨拶をしているのは一年間で最も成績のよかった生徒かまやるみたいだ。
二年生、三年生関係なく。
合計点だそう………。

「在校生代表 二年・指原聖奈」

指原聖奈先輩………。
あのとき見た感じとは違っていた。
けど間違いなく彼女だ。
俺の全身がそういっている。
そしてしばらくして彼女に出会ったんだ。
だけど病気のことは話さなかった。
あの日あったことは彼女は覚えていない。
だけどいいんだ。
俺が覚えてるから。
彼女に出会えたから。
それだけでよかった。

「飯島君………」

あなたが俺の名前を呼んでくれるだけで………。

だけど運命とは………残酷だ。

「再発ね………」

病気がまた動き出した。
中三の先輩にあったあの日から何事もなかったかのうように元気だった。
けど高1の夏。
また動き出した。
先輩とずっと一緒にいられない。
そう考えたら笑うのが難しかった。
先輩の顔を見るのもつらかった。
だけど先輩はいつも笑顔でいてくれた。

「飯島君」

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