シャッターを押したら君と恋に落ちる。〜カスミソウの花言葉〜
最終章 シャッターを押したら君と恋に落ちる。

サヨナラ




あの日から私の時間はとまったまま。

私と別れてすぐに遥斗君は倒れた。
私はそれに気づかなかった。
もし、気づくことができたら助かったのかな?

「ふぅ………っ」

私は………何一つできなかった。
君を幸せにできなかった。
ただ………言ってくれるかなにいることしかできなかった。
もっと一緒にいたかった。

「遥斗くん………っ!」

私………なんであのとき気づけなかったの?
気づけたら助かったのに………っ!!
遥斗君が亡くなってもう一ヶ月が経っても私は忘れられずに〝あの日〟にとらわれていた。

「………」

私にはもう光がいない。
輝かせてくれない。
一緒に輝く人がいない。

「うぅっ………ぁぁあぁぁああぁ!!」

私は泣き叫んだ。
まるであの日のように。
待ち合わせになっても来なかった君が運ばれていくのを見た。
何もできずに私はその場にいた。

「ふぅっ………うぅ………!」

結局………傷ついてるじゃん。
本当はわかってた。
傷つかないはずがないって。
だけど幸せだった。
遥斗君がそばにいて笑ってくれるだけで。
それだけで幸せで嬉しくて………。

「ごめんなさ………っ」

私はまた何もなくなってしまった。
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