シャッターを押したら君と恋に落ちる。〜カスミソウの花言葉〜
「いいですか、先輩?」

上目遣いで聞いてくるので私は、

「うん、わかった。けど邪魔だけはしないでね」

昨日、飯島君が私の最後の写真に入ってきたから。
せっかくうまく撮れそうだったのに………。

「はい、わかりました!!」

飯島君って不思議。
飯島君の笑顔を見ると、なんかどうでもよくなってしまう………。
何でかな?
不思議だな。

「指原先輩って撮るの上手ですよね!」

「え、そうかな!」

飯島君は私が今までに撮ってきた写真を見ていた。
カメラは予備でもう一個あるから私はそっちを使って写真を撮っていた。

「ほら!昨日の俺が急に入ってきたやつでもきれいにとれてるじゃん!」

「………」

確かにぶれてはいないけど………。
私は人を撮りたくない。

「それにどうして先輩は人を撮らないんですか?これ全部、空とか花とかばっかりですね」

「っ………やっぱり暗いかな?」

人が写ってないだけで暗く見えちゃうのかな?
そんなことを私は前々から気にしていたりもした。
けど気にしていたところで私は人を撮りたくない。
だから気にするのをやめたんだ。

「確かに暗いとは思いますけど、どれもいい写真じゃないですか?先輩の撮り方はどれも全部………暖かいです!」


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