いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
「感動?」
思わぬ返事に真衣香は首を傾げた。
「うん、見透かせれてるみたいなの、こんなくると思わなかった」
「くる?」
「そ、グッとね。 くるでしょー、お前どんだけハマらせる気なの」
絡められた指が真衣香の指をゆっくりと撫でる。
坪井はよく指を絡めながら愛おしそうに指先を撫でてくれるのだけれど、真衣香はそれが大好きだった。
「そ、それなら私の方だよ。 ゆ、指ね、撫でられるの大好き。 坪井くんの手すごく好き」
言ってしまった後に体温が上がってくる。
大好きな気持ちが溢れると、こうなのだろうか。
自分という人間は、こんなふうに気持ちを思わず伝えてしまうのだろうか。
照れ隠しのようにゆっくりと歩き出した。
視線をどこに持って行こうかと悩んで、真上を見る。
澄んだ冷たい空気に輝く星空。
冬の空気になっていてくれてよかった。
熱い頰がクールダウンされていくから。
そのままチラリと横を見ると。
一瞬だけ交わったの視線を、すぐにそらされてしまう。
「あー、ごめん、嫌で逸らしたんじゃないよ、今ちょっと直視できないだけ。お前ズルいし、てか暑いんだけど」
繋いでない方の手で坪井は軽く顔を扇ぐ仕草をして見せた。
よくよく見ると耳が赤い。
「暑いの? 耳、赤くなっちゃってるね、坪井くん」
こんな坪井は初めて見る。
(恥ずかしいの、一緒……なんだ)